フルーツ・ベジタブルカービング

フルーツ・ベジタブルカービング

スイカにカービングをしながらほほえむ若い女性

スイカにカービングをするチェンマイ美人

以前、友達がチェンマイ旧市街にあるカービング教室で
フルーツ・ベジタブルカービングを習っていました。

小さなナイフ1本で器用に彫り上げていき、
にんじんや大根がかわいく、素敵に変身して、
食べるのが惜しくなるほどでした。

腕が上がるにつれ、作品の規模も大きくなり、
スイカ1玉をまるっと彫ったりしていました。

スコータイ時代、アユタヤ時代から
カービングの歴史は始まっており、
宮廷料理の飾りつけやお客様のおもてなしの際に
作られていたそうです。

 一口メモ

こればかりは実物を見ていただかないと、言葉にして伝えるのは難しいのですが、スイカやニンジンなどのフルーツやベジタブルに施されたカービングは、あまりにも美しく、一度目にしたなら、その鮮烈さゆえに二度と忘れることはないでしょう。

赤いスイカに大輪の真っ赤な薔薇が精緻に彫り込まれる様は、じっと見入っていても飽きることがありません。

カービングナイフ1本を使うだけで、本物と見まがうばかりの花びらが彫れるなんて、驚きです!

もちろん人によって、カービングの出来具合は大きく異なります。

腕が上がるとともに、花びらはより薄くなり、より細かく刻まれるようになります。

チェンマイにはフルーツ・ベジタブルカービング教室がいくつかありますが、先生たちの手にかかると、なんの変哲もないただのスイカが、宝玉の芸術品のように輝いて見えるから不思議です。

まさに、ため息がこぼれるほどの美しさなのです。

部屋に置いて、ずっと飾っておきたいと思ってしまいますが、もちろん生ものです。

美しさを保つのは、ほんのわずかな一瞬だけです。

さりとて、食べるには勇気がいります。

繊細にカービングされた花びらにナイフを入れるなんて・・・。

タイの文化の奥深さを、しみじみと感じさせられる一瞬なのです。

フルーツ・ベジタブルカービングは、タイの伝統芸能として七百年の歴史をもちます。

フルーツ・ベジタブルカービングの起源は、アユタユ王朝までさかのぼります。

ある年の12月の満月の夜、ローイ・クラトンの灯籠が、川に一斉に流されました。

そのとき、どの灯籠よりもひときわ美しく個性的な装飾を施された灯籠に、人々の耳目は集まり、歓声が上がりました。

ブラルアン王の妻、ナーンノッパマート妃の手による灯籠でした。

牛車の外輪ほどの大きさの花の周りに、カービングを施された果物が色とりどりの色彩を放ち、幻想的なまでの美しさを醸し出していたのです。

果物には、色鮮やかな薔薇や蓮が掘られ、さまざまな種類の鳥やクジャクが花をついばむ様子が、精緻に表現されていたそうです。

それ以来、タイの王宮では、王族などに料理を出す際に、フルーツや野菜にカービングナイフで花などを模した飾りを添えることが、習慣となりました。

それが今日まで、伝統芸能として伝えられているわけです。

フルーツ・ベジタブルカービングは、かつてはタイの女性にとって欠かすことのできない花嫁修業の一つだったそうです。

もちろん今の時代に、フルーツ・ベジタブルカービングができるタイ女性は少ないことでしょう。

それでも、こうした繊細な伝統芸能が残るタイの文化こそが、しとやかなタイ人女性というイメージを育んだのかもしれません。

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2011年6月 9日|

カテゴリー:チェンマイLIFE, チェンマイの食

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