ワット・ドイステープ
チェンマイ旧市街の西にそびえるドイステープ山の頂上に、北タイでもっとも神聖な寺と崇められる名寺ワット・ドイステープ(ドイステープ寺院)があります。
ワット・ドイステープは、チェンマイのシンボルともいえる観光名所です。
昔から、「チェンマイへ来てドイステープ寺院へ行かなければ、チェンマイへ来たことにはならない」とまで言われるほどに、チェンマイを代表する寺院です。
チェンマイ市内のちょっと高いビルからドイステープ(ステープ山)を望めば、遠くからでもワット・ドイステープを仰ぐことができます。
チェンマイに暮らす人々は、今も昔も、ワット・ドイステープに特別な思いを抱き、篤い信仰を捧げています。
ワット・ドイステープの正式名は、ワット・プラタート・ドイ・ステープ(Wat Prathat Doi Suthep)です。ドイはタイ語で山を表します。ステープ山の頂上に建つことから、通称ドイステープ寺院と呼ばれています。
ワット・ドイステープの歴史は古く、1383年、クーナ王の手によって建立されました。
インドから釈迦の骨である仏舎利をはるばる運んできた白き象が、この地で息絶えたことから、ドイステープ寺院が建立されたと伝えられています。
ドイステープ寺院に着いて、まず圧倒されるのは、山頂まで続く長く伸びた階段です。その数、実に306段! チェンマイに来た記念に、自分の足で登ってみればよい思い出になることでしょう。
両側の手すりには、タイの神話に登場する龍・ナーガが彫刻され、山頂までお供をしてくれます。
階段はちょっとなぁ、という方には、ケーブルカーが用意されていますので、ご安心を!
ドイ・ステープの頂まで、3分ほどで運んでくれます。
サルの化身である守護神ヤックが守る門をくぐれば、そこはもうワット・ドイステープの境内です。中央にそびえる黄金に輝くチェディ(仏塔)が、真っ先に目に飛び込んできます。ガイドブックなど、ワット・ドイステープの写真といえば、この黄金の仏塔がよく使われています。高さ22mの光り輝くチェディ(仏塔)のなかに、釈迦の骨である仏舎利が収められているといわれています。チェディを取り囲むように、回廊に沿って黄金色の仏像が何体もおかれており、金色に染まるその美しさに魅せられます。
ワット・ドイステープへの参拝は、黄金の仏塔を取り囲む回廊を時計回りに3回まわり、祈ることからはじまります。
この参拝スタイルは、ワット・ドイステープに限らず、タイの仏教寺院であればすべて共通しています。
お釈迦様が亡くなったときに、弟子たちがそうして祈ったことに端を発しているそうです。
黄金の仏塔の前には、八体のやはり黄金色に輝く仏像が安置されています。八体の仏像は、それぞれ異なるポーズをとっていますが、これには理由があります。
タイでは自分が生まれた曜日が、とても大切にされます。タイ人であれば例外なく、自分の生まれた曜日を知っています。
タイの寺院では曜日ごとに仏像のポーズが定まっており、人々は自分の曜日を表す仏像の前に跪き、祈りを捧げます。
曜日ごとなら七体ですむはずなのに、なぜ八体の仏像があるのか不思議ですよね。
その理由は、水曜日だけは昼と夜の二体の仏像があるからです。
水曜日の夜だけは、夜叉が現れるという仏教の教えに基づいているようです。
ワット・ドイステープのお堂に入ると、黄衣をまとったお坊さんの前に行列ができていることでしょう。並んで待っていると、お坊さんがお経を唱えながら、聖水をけっこうの勢いでかけてくれます。
やがて自分の番になると、お坊さんから、手首に白い紐を巻いてもらえます。この白い紐は、「サーイシン」と呼ばれるもので、日本の神社でいうお守りにあたります。
サーイシンは、自然にとれるまで、外してはいけないといわれています。お風呂に入るときも、そのままでOKです。なにか災厄が降りかかったときに、あるいは災厄がすんだときに、糸は自然に切れるそうです。
なお、タイでは、お坊さんが女性にふれることは禁じられているため、女性の場合は、お坊さんではない人がサーイシンを巻いてくれます。
参拝が済んだなら、再びワット・ドイステープの境内から外に出てみてください。壁伝いに並ぶ鐘は、自由に鳴らすことができますから、叩いてみてくださいね。
そして、ドイステープ寺院の裏手に回れば、ステープ山の頂上からチェンマイ市内が一望の下に見渡すことができます。大パノラマが視界に広がる圧倒的な景観を、しばしお楽しみください。
短パンやランニングシャツ等の肌の露出度が高い軽装では、寺院に入場することができませんから、ご注意ください。 (現地で貸衣装を借りることも可能です。)
ワット・ドイステープ ギャラリー
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